第36回 (2010年第3回)
概要
- テーマ:「これからの地方議会」
- 話題提供:同志社大学大学院総合政策科学研究科 大空正弘さん
- 日時:2010年5月29日(土) 14:00〜16:00
- 会場:當麻文化会館 中研修室
内容
意見交換
- なぜ北海道で改革が進んだのか。住民運動はどの程度あったのか。地元推薦はないのか。改革のきっかけはあったのか。→北海道は歴史が浅い。開拓者精神なのか。議員が皆仲が良い。地元推薦はないのではないか。きっかけとして財政の問題はあったと思う。
- シティマネージャー制度というのは、議会が市長に優先するのか。→その通り。行政大学院というのがあって、人材が豊富。議会が募集してそれに応募が来る。一ヶ所にとどまらずいろいろ渡り歩いたりする。
- 葛城市の議会改革特別委員会ではどういう議論があるか。
- あまり活発でない。議会基本条例は必要だが難しいということ。実行可能な改革を進めていくべきだと個人的には思う。一般質問については、一括質問であったが、今度から一問一答できるようになった。動き出したところ。
- 議会改革特別委員会は2年ほど前にできた。議員定数削減の提案があり、それだけではだめだ、全体について議論しなければということでできた。しかし、今聞くと定数削減ばかりになるから置いとこうということで、10月までほとんど何もしなかった。改革そのものには取り組まないまま。住民がしてほしいのは開かれた議会。選挙があって新しい体制になって、とりあえず運営については改善が始まっている。伊賀市は行ったが、報告会をすると通知表を付けられるようなことになると言っていた。聞かれた時に、しっかり答える議員とそうでない議員が出てくる。しんどいからもうあんまりという感じだった。葛城市では出来ることからやればいいのではないか。報告会ができればいいと思う。
- 山下市長が議員の時にいろいろ提案していた。市長になって、議会広報が詳しくなった。また、タウンミーティングで話を聞いて回っている。議員の時に持っていた考え方を実践しているのではないか。ただ、話を聞くのはいいが、議論したことを表に出さないのは問題だと思う。
- そういう評価ができる。理念的にもきっちりやっている。広報も中身に触れた形になった。予算も分かりやすい形で伝えている。タウンミーティングも積極的にやっている。
- 3月議会では、議員時代に分かりにくかったからと、分かりやすい資料を配ってくれた。各大字を短期間に回ったが、今度は4つぐらい時期を分けて実施するらしい。やるべきこと、思いがたくさんあって、どう実行に移すのか。事業の見直しよりもどんどん新しい議論をしている。評価はしている。
- 政務調査費について、各議員にいくらというところと、全体で持つところがあるのか。→基本は1人いくら。会派に対してというところもある。京都府は会派と個人に分けて渡している。
- 全部使うのが原則なのか。→本来はそうだが面倒だから使わない人も。うまく機能していない面もある。
- 議員に研究してもらわないといけない。そのための力になる。本来は使い切ってこそではないか。
- 葛城市には政務調査費はないのか。
- ない。議論には時々なった。あっても変に使ったり、領収書の問題があったりする。使い放題のところもある。研修費は1人大体いくらというのがある。昼から2時間ぐらい研修をして、泊まって翌朝ついでに観光ということが多かった。温泉の近くで研修するとか。事務局が一生懸命温泉の近くのところを探したりする。はっきりしない研修はやめてもいいのでは。住民からの批判もある。市になってからは、シティホテルに泊まって勉強だけになった。
- しっかりした質問をしたいと、本を買って参考にした場合どうなるのか。
- 自分で買うことになる。
- 事務局に図書予算がある。
- 住民の意思を、というのはよく分かる。意見を調整というのはどういう格好でやるのか。長が絶大な権限を持っている。どの委員会からも行政側から提案がある。議員相互間で意見が違う。議論を闘わせて、理事者も修正して、としないと。議員活動の手引きというのをもらったが、与党も野党もないと書いてある。しかし、「おれは与党だから最後は賛成するんだ」という人もいる。ある意味北海道のみんな仲が良いというのはは理想。
- 市政報告会に公民館が使えないということで問題になった。どういう場所でどういう形でやればいいのか。→宮城県本吉町の場合、地域の住民組織と共催している。党派や会派ではなく議会としてならできるのではないか。意見調整について、議員の目は市長に向いていて、議会としてどうしようとならない。議員として市長から引き出せばいい。議会としてやっている所としては、政策討論会をやって議員間で討議しているところがある。こういう問題がある、と議論している。そういうところで基礎をつくるしかない。
- 全員協議会を活用できるのではないか。→高砂市など、質問通告をやらない議会もある。基本話は議場でやるため、いつも会期が延びる。
- 歳費や定数カットについて、住民は半数以上が減らせと思っているのではないか。矢祭町ではパートタイムで賃金を払うようになった。学者の間ではどう考えているか。職業として成り立たないといけないと思う。定数の法的基準もある。→定数については、上限が撤廃された。それぞれの議会で考えればいい。専業でやれるだけの給料は必要だと思う。結局、その議会が何をしようとするのかによる。かつては学会でもどう減らすかという議論だった。今は分権の時代だから、それぞれで考えればいいという意見が多い。
- 合併に賛成した住民は、議員の削減も理由だった。確かに議員は減ったが、給料は上がった。
- 31人から18人になったが、27万から37万になった。真面目にやる人は、合併で仕事増えるけど。
- 他の市にならって給料を上げたのか。
- 横並び意識で。県内の市で下から2番目だから安いだろうと。
- スウェーデンは議員数がかなり多いが、煙突掃除などボランティアのようなこともやっているらしい。
- 政治倫理条例について、家業をもってやることできないが、兼業でやっている人も多い。議会が主役に躍り出る条件は整ったとあるが、はるかに遠い未来ではないか。基本条例もできっこないのでは。二元代表制の見直しについて、逆にそこをきっちりしろとなっているのが現状。話がでかすぎてどうなるのかという感じ。後々のイメージとして提起したのだと思うが。住民の側に立っているというのが議員。機関対立主義というのは何をイメージするのか。将来のイメージは対立か。→対立というときついが、意見を言い合うということ。
- お金の取り合いという面もある。そこそこ辛抱できる順番でできるように調整していく。
- チェックアンドバランスということ。どちらが暴走してもだめ。一方がどうかなったらバランスが崩れる。
- 住民がしっかり監視していかないといけない。
- 開かれた行政、開かれた議会でなければならない。
- 大字推薦について、老人会で区長が選挙の時連れて歩き回ったんだから、説明に呼んでこいと言ったら、そりゃそうだとなった。
- 与党や野党ではないという話だが、そうなる原因として、我が党の方針によると、という発言もあるのではないか。会派とか党派の問題を学者の間ではどう考えているか。→地方における政党ということだが、日本はまず中央から政党ができた。欧米は地方から政党ができていった。成り立ちからして違う。政党観丸出しでやっているというのはその通りだと思う。
- 傍聴の話は目から鱗。これ以後は考えて使おうと思う。福島町で参画を推奨しているのは素晴らしいと思う。傍聴に行って腹を立てて帰ったことがある。議員同士のいざこざで遅れたのに何も弁明がなかった。
明日の葛城市を考える会 > まちづくり討論会の経過